ダイレクトメールは「人から人へ」の関係性が成り立つコミュニケーションツールです。
逆に言うと、紙面の向こうに「人」を感じられないDMはお客様からの反応が薄く、効果を発揮できません。
「開封したくなる」「読みたくなる」「話を聞いてみたくなる」というような反応を引き出すには、お客様の視点で徹底的に手間や面倒を省き、迷わせない工夫が必要です。
一律の「おもてなし」よりも、相手に応じたアプローチのほうが効果的
DMをはじめとするダイレクトマーケティングの目的は、双方向のコミュニケーションでお客様と良好な関係を構築し、自社のことを気に入ってもらって、継続的に商品やサービスを買ってもらうことにあります。
マスマーケティングでは、お客様とのコミュニケーションは受動的・画一的になりがちです。ダイレクトマーケティングはお客様との距離を縮めて、「このお店で買いたい」「この人に仕事をお願いしたい」と思ってもらえるように、能動的に働きかけていく手法でもあります。
紙のDMは、デジタル手法に比べて「見られやすい」という特徴があり、一対一の直接的なアプローチであるため印象にも残ります。お客様に思い出してもらうためのきっかけとして、訴求力が高い方法の一つです。
DMも最初が肝心!まずは開封してもらうための工夫
DMは、相手のポストに届いたとしても、必ず読んでもらえるとは限りません。
届いたDMをパッと見て、自分に必要な情報かそうでないかを瞬時に判断し、「必要ない」と判断されたものはそのまま捨てられてしまうということもあります。
この最初のハードルを乗り越えるためには、DMの外見で「内容が気になる」「開けてみたい」と思ってもらうことが必要です。
語りかける対象者を具体的に
「~の皆様へ」ではなく、「~のあなたへ」のように、個人あての手紙であることを意識してメッセージを書きます。
自社との関係性やDMを送付する理由を明示することで、受け取った人の不信感を軽減し、「自分にとって意味のある情報」だと気づいてもらうことができます。
提案ははっきり、わかりやすく
「特別セールの開催」や「割引クーポン」等、DMで伝える特典やメリットは、ひと目でわかるように目立たせます。
目を引く色遣いや、短めのキャッチコピーで、さっと目を通しただけでも理解できるようにします。
サンプルやグッズを同封する
封筒の中に何か入っていると、その厚みや異物感から開封してもらいやすいといわれています。
ただし、何でも入れればいいというわけではなく、試供品やプレゼントなど、お客様にとって意味があるもののほうが喜ばれます。
DMを埋もれさせず、しっかりと印象づけるための工夫
DMに意外性や新鮮さがないと、興味を持って読んでもらえません。 特別感のあるデザインや加工で「何が書いてあるんだろう」「もっと詳しいことを知りたい」という気持ちを引き出すとともに、その興味を途切れさせない、スムーズな動線設計が必要です。
想定外のDMで存在感アップ
スタンダードな形状のDMよりも、変わった大きさや立体感のある形状のほうが、インパクトがあって記憶に残ります。 組み立てて完成させる、二次利用できる等、開封後のDMに長く接してもらうための仕掛けがあると捨てられにくくなり、印象を強めることができます。
圧着はがきや封筒は開けやすさにこだわる
どこから開けるのかをわかりやすく示したり、封筒の開封部分にミシン目をつけたりすると、簡単・スムーズに開封できるので、内容への興味をそぐことなくDMを読んでもらうことができます。
デジタルコンテンツへ誘導
購入前にじっくり検討するような商品は伝えるべき情報が多く、DMだけですべて伝えようとするのは無理があります。
「二次元コードからLPサイトへ」等の動線を作れば、DMの内容はコンパクトにまとめられるので読みやすくなり、発送コストを抑えることにもつながります。
「読んだら終わり」の完結型DMから、コミュニケーションを活発にする回遊型DMへ
これまでDMのレスポンス(反応)として考えられていたのは、購入、来店、資料請求、問い合わせなど、直接的な行動だけでした。
これらの反応だけを目標にした場合、DMの効果は実感しにくいかもしれません。
しかしながら、実際にはDMをきっかけにWEBページを訪問して商品のことを調べたり、家族や知人とのやりとりで話題にしたりする人も多くいることが明らかになっています。
お客様の反応を広く捉えると、DMには購入するための「注文書」や「問い合わせ先」だけでなく、より詳しい情報を届けるための「動線」や、共有したくなる「話題性」も必要だということがわかります。
DMを送る側の心理としては、すぐに売上に直結するような反応が欲しいところですが、興味を持ってくれたお客様への対応を充実させることで、将来的に自社のファンになってくれる可能性があります。
回り道のように思えても、DMを送る際にはお客様の視点に立って様々な動線(受け皿)を用意しておくことをおすすめします。
まとめ
DMには、目に留まり、関心を高め、反応してもらうための様々な工夫が凝らされています。
即効性を重視したものが主流ですが、持続的に効果を発揮するタイプのDMもあります。
お客様視点で「どうしたら反応しやすいか」「何に興味を持ち、次にどう進むのか」を考えて制作することで、反応が期待できるDMになります。
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